爪乾癬の原因と症状と対策

爪に乾癬ができることもあります。いわゆる爪乾癬と言われる疾患です。爪も皮膚の一部なので乾癬が起こります。爪のみの乾癬だったり、他の部分の尋常性乾癬や関節乾癬が起こっている場合もあります。

爪が赤く腫れたり血が出るわけではなく、爪全体が変色や変形していくものです。そのままにしていると爪が反り返っていき、最終的には剥がれるということもあります

特に爪乾癬は爪甲の表面が濁ってきたり、縦や横のシワが大きくなってきたり、爪に穴が開いたり、表面がボロボロになったりと人によってタイプもいろいろな症状ですが、ほとんどは凸凹がはっきりしてきます

原因ははっきり分っていない部分もあるようですが、まず遺伝的な体質と動物性の脂肪分の取りすぎなどが重なって起こると考えられています。

なぜ爪に起こるかという理由ははっきりされていませんが、頭皮や皮膚、関節など、どこに出てもおかしくないと言えそうです

爪の生え際の皮膚下に薬を届けたいものの、爪があるとどうしても邪魔になって塗り薬もなかなか患部に届かないという部分でもあるのです。

爪に薬を塗っても、爪はある意味皮膚がもう死んでいる状態に近いわけで、爪になる前の皮膚から爪になる状態のところに薬を塗ることが大切になります。

尋常乾癬の人の2割、関節乾癬の人の場合はなんと8割が爪乾癬になっていると言われています。そのため塗り薬などの治療薬だけに頼らずに、生活の改善も同時に行うようにしなければなりません。

生活リズムや食事の改善などを徹底して改善することで、随分進行を止めることができます。一番大切なことはとにかく肉中心の食事から、魚や豆腐などを中心の食事に移行することが大切です。

またジャンクフードなどは避けるようにし、油で揚げたメニューなどもできるだけ避けるようにしましょう。

このように食事を徹底的に改善し、ステイロイドクリームなどを使うことで進行を遅らせ次第に改善していくようになります。

爪乾癬の治療について

爪乾癬の治療にはまずステロイドなどを塗ることが一般的です。爪乾癬はもともと面倒な疾患である乾癬の中でも特にやっかいな疾患であるとも言えます

ただし汎発性膿疱性乾癬のように体が弱り、最終的には命の危機まで起こってしまうような乾癬とは違い、そういう意味では命と一番遠いところにある乾癬とも言えそうです。

しかし確実な治療法がまだ分っていないということもあり、爪が人目に触れやすいといいうことで、精神的に辛い思いをすることもあるのではないでしょうか

薬は爪の付け根のところの爪母の部分にステロイド軟膏を塗るようになります。

しかし爪は皮膚であって軟骨のように硬くなっているので、そこから奧にステロイドが浸透することはとても難しいため治療の取り組みが大切になりますが、最近の治療はステロイド軟膏と高密度ビタミンD3の軟膏を爪母に塗ることになります。

また爪乾癬単独ということは割と少なく、他の乾癬が悪化してくるとレミケード治療など生物学的製剤を使った治療も行われます。それらの治療をすると爪乾癬にもとても高い効果が出ているとのこと。

ただし生物学的製剤の治療法は料金的にとても高くなるので、なかなか爪乾癬だけで行うことはあまりないようです。

爪乾癬はとにかく早期発見で早期治療をすることが大切なので、爪に白い線や凸凹が出てきたら早めに皮膚科にいくようにしましょう。

そして薬剤治療とともに食事の改善や生活リズムなどの見直しなども大切になります。ただ薬だけに任せて完治するような切り傷とはまったく性質が違います。

もともと原因は自分の持っているものと脂質などの取りすぎがあるので、食事の改善は特に大切だと考えるようにしましょう。

洋食系から和食系にすることを心掛け、ジャンクフードなども避けるようにします。野菜を中心に体質改善も行うようにしましょう。また体質改善のため、乾癬に効果のある漢方薬なども試してみるのもおすすめです。

爪だけが乾癬になることもあるのか

乾癬というといろいろな種類がありますが、爪にできる乾癬を爪乾癬と言います。乾癬自体は日本の人口では大体0.2~0.3%が発症していると言われていて、爪だけの乾癬はそんなに多くはないようです。

欧米では人口の1~2%と日本の10倍となります。機能障害もあり、外見も悪く、慢性病として一生日常生活にも支障のある疾患としてWHOでも認定されたほどです。

乾癬患者の爪乾癬の発症率は大体30~50%、また乾癬患者の一生レベルで考えると爪乾癬になる人は90%にもなると言われています。そして患者さんのほとんどは痛みや変形に、毎日の生活でも不自由を感じているとのことです。

単独で爪乾癬はとても少なく最初に爪乾癬が出ても、その後他の部分に乾癬が出るという可能性が高く、爪単独の乾癬の方が少ないようです。

特に爪乾癬の人は関節乾癬になることが多く、また乾癬性関節から爪乾癬になることも80%と言われています。それに比べて尋常乾癬の場合は30~50%が爪乾癬を起こしています。

爪の周辺の乾癬が強くなると、乾癬性関節炎に飛び火することも可能性があります。必ずこの二つの種類の乾癬がすべて連動しているとは限りません。

しかし遠位指間関節の付着部の炎症が起こることが多く、爪の回りと関節の血流が同じだということもその理由の1つのようです。また部位的にも解剖学的にも近い位置にあるということで、炎症が起こる可能性が高くなります。

爪乾癬の治療はステロイド剤の軟膏を塗るのがオーソドックスですが、ステロイドの局所注射という方法も増えているとのこと。

しかし実際にこの注射は痛みが強く、出血も起こるので麻酔注射をしてから行うようになり副作用的なリスクもあり、子どもはできない治療法となります。

このように爪乾癬の治療法はまだ完治できる方法はありません。爪乾癬単独の場合はあまり行わない治療ですが、他の乾癬の悪化によって生物学的製剤による治療を行うと、同時に爪乾癬にも高い効果があるとのことです。

爪乾癬にネイルはできるのか?

爪の乾癬になってしまった場合、特に女性の場合はネイルによって隠すということを考えるのも当然のこと。軽い乾癬ならネイルで隠すことも、もちろん効果があります。

では爪にネイルを使って、乾癬には良くないということはないのでしょうか

実は例えばネイルをずっとやり続けていると、どうしてもネイルが爪を守ってくれるため爪は弱くなります。そのため乾癬を持っている人は、爪に新たに症状が出てしまうということがあるようです。

もともと乾癬を持っている人でも、爪乾癬にだけかかる人はまずいないと言われています。つまり乾癬が他の部分に出ると、爪に出ることがあるというふうにも言えるのです。

爪乾癬になっていない人がネイルし続けていると、爪が弱くなると爪乾癬になるリスクが高まるということは事実になります。しかし爪乾癬になってしまった場合は、やはり隠すためにはネイルを使うのも良いかも知れません。

爪は肌の変形したものなので、爪もボロボロと向けてくる症状があります。そのためにネイルを一塗りすると、一応ボロボロをごまかすことができます

そのために爪乾癬の治療になるという、ウワサがたったりするのではないでしょうか。

しかし実際には治るのではなく、ボロボロの爪の上にネイルを塗るので剥けなくなるだけです。ネイルを取ればボロボロのまま、特に改善されることはありません

また表面が剥けるだけでなく、縦の筋が入るタイプと横に筋が入るタイプの人がいますが、それが大きな波打った溝のようになってしまう場合もあります。

こうなるとただネイルを塗ってごまかすということは難しくなってきます。そんなときにはジェルネイルを上手に利用して凸凹を埋め込むように平にして、その上からネイルを塗るという方法があります。

ジェルネイルは乾かすのに時間がかかるので、プロにやってもらうと早くできます。

そしてネイルをするなら1塗り程度の薄い塗り方にすることと、生え際までしっかり塗りつぶさないで、1ミリほどずらしてネイルを塗るようにしましょう。

そして無地の濃い色は逆に凸凹を目立たせてしまうので、薄いラメグラデーションなどの方が凸凹をごまかせます。

乾癬とは違う・爪甲剥離症

爪に起こる乾癬を爪乾癬と言いますが、爪甲剥離症と間違えられることが多いようです。爪乾癬はそのままにしておくと爪が剥がれてしまいますが、爪甲剥離症は爪が剥がれることはありません

爪乾癬は爪の奧の爪のできる部分が乾癬に冒されていますが、爪甲剥離症の場合は爪先から根本に向って進行していくものです。

爪乾癬は乾癬性関節炎や尋常乾癬の治療と同じ治療法ですが、爪甲剥離症の場合は原因によって治療法も違ってきますが、爪に問題がある場合には保湿を促す薬や副腎皮質ホルモンの治療、ビタミンEなどの内服薬を使うことが多いようです。

また原因も爪乾癬は乾癬という遺伝と、後天的な条件とが重なって発症すると言われています。

しかし爪甲剥離症の場合はほとんどが後天性で感染症や薬の副作用、皮膚疾患、全身疾患などによるものです。ただし先天性、遺伝性でも症状が起こる場合もあります。

マニキュアや洗剤でも爪甲剥離症になることがあり、また感染症で爪甲剥離症になる場合はカンジダ感染で発症することがほとんどです。また皮膚感染は多汗症や接触皮膚炎などにも移行することがあります。そして甲状腺機能亢進症や、甲状腺機能低下症など甲状腺異常でも発症の可能性が高くなります。

色が白くなったり黄色くなったりするので、爪乾癬と間違われることも多々あるようです。しかし爪甲剥離症は二枚爪とも言われるだけあって爪の先がボロボロになります

しかし爪乾癬は爪先だけでなく爪の甲の凸凹がひどく目立つようになりますが、基本的にまったく別の原因の両者の病気は、改善法もまったく違うものです。

逆に自分なりの診断で爪乾癬を爪甲剥離症と考えてしまい、適当に抗菌剤などの薬を使っていると逆効果になってしまう場合もあります

はっきりした判断が付かないなら、病院に行って相談するようにしましょう。その上でどのような治療をするか、医師に従うようにするといいのではないでしょうか。どちらも適切な治療をきちんと行うことが先決となります。

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