乾癬治療で多く使われるステロイド。消炎作用も強く効果も大きいので現在主流の治療薬となっています。ステロイド剤の仕組みは簡単に言えば血流を止めて体を冷やし炎症を抑えるものです。
しかし、このステロイド剤を長期で使用し続けると副作用も大きく安心できるものではありません。実はこのステロイド剤は体内に溜まっていくものなのです。使い始めはしっかりと体外に排出される為、単純に消炎作用の利点だけを味わう事が出来ます。
長く使い続けることでステロイドが体外に排出されず滞ったものが確実に体内に蓄積されていってしまうのです。
残ってしまうと何が悪いかと言うと、体内に蓄積されたステロイドが酸化コレステロールに変化しさらにひどい皮膚炎を起こしてしまうのです。
それを抑えるためにさらに強いステロイドを・・・。一種の麻薬のようなものなのです。
最終的に体全体の免疫力を落とす
ステロイドを長期にわたり使用し続けると皮膚が委縮したり色素に異常が出たり様々な副作用が現れます。また、交感神経も緊張し全身に現れるようにもなってきます。
白血球の顆粒球も増え骨が弱くなり目的でもあった血流が抑えられ続けることでそれが障害となり体全体が冷たくなってしまいます。もちろん冷えは体に様々な影響を及ぼします。
当然ですが乾癬を治す為にも必要な自然治癒力、免疫力を低下させる結果になり、乾癬以外の病気も心配されるようになってしまうのです。それがステロイドと言うものだという事を覚えておいてください。
ステロイドを使用し続ける恐ろしさ
ステロイドを長期間使用し続けることによって治癒力や免疫力を低下させることになってしまうのですが、それによって表だって症状が現れてくることもあります。
例えば顔の皮膚が薄くなり顔が赤ら顔になったり口の周りにブツブツが出来たり見える症状として現れてきます。
さらに交感神経が緊張している為、常に体は興奮状態なのです。血圧が上がり脈拍も早くなります。不眠になったり疲れやすい体になってしまうのです。
そして、免疫力が弱くなっている為、様々な病気もかかりやすくなってしまうのですが交感神経が刺激されているので副腎から分泌されるアドレナリンにより血糖値を上げることになり糖尿病になりやすくなってしまうのです。
それと同時に、白血球に顆粒球が増えて関節に支障を与えます。腰痛や膝痛になりやすくなるのです。
体が冷えることにより消化器系も支障が出てきて潰瘍も起しやすくなります。もちろん免疫力が弱くなるという事は様々な細菌やウィルスに感染もしやすくなるという事です。
このようにステロイドを使用し続けることによって実に様々な病気の可能性を高めます。
ステロイドの種類
治療に使われるステロイドにも様々な薬品会社からたくさんの種類がでています。その種類によって効果や作用、副作用などの強弱も含め異なります。
病院で医師によって選ばれるのは数あるステロイドの中で効果を最大限に引き出しつつ副作用を出来るだけ抑えれるものを患者の状態、体質等によって使い分けます。
ステロイドは大きく5段階に分かれており、strongest(最も強力)、very strong(かなり強力)、strong(強力)、medium(中程度)、weak(弱い)と分類されています。
最も強力といわれるのがファイザーのダイアコートや大洋薬品のエンチフルゾン、日本薬品工業のベタレストンなどで次いで三共のデルトロン、日医工のシマロンなどが強力です。
今、処方されているステロイドがどの分類にあるか是非、確認してみてください。
■最も強力strongest(★★★★★)
エンチフルゾン | 大洋 | デルモベート軟膏 | グラクソ・スミスクライン |
グリジール | 佐藤製薬 | ベタレストン | 日本薬品 |
ザルックス | アボット・ジャパン | ボアラ | マルホ |
シオデルベート | 辰巳化学 | マイアロン | 前田薬品 |
ジフラール | アステラス製薬 | マイザー | 田辺三菱製薬 |
ソルベガ | 久光 | マハディ | 協和新薬 |
ダイアコート | ファイザー |
■かなり強力very strong(★★★★)
アクデルマ | アストラジャパン | トプシム | 田辺三菱製薬 |
アサキンゲル | 三笠製薬 | トプシムE | 田辺三菱製薬 |
アドコルチン | 三共 | トラッペン | キッセイ薬品 |
アフゾナ | 前田薬品 | ネリゾナ | バイエル |
アルゾナ | 東光=ラクール=長生堂 | ネリダロン | テバ製薬 |
アルメタ | 塩野義製薬 | パンデル | 大正富山医薬品 |
アンテベート | 鳥居薬品 | ビスダーム | 日医工 |
イジロンDPグリコベース | 前田薬品 | ブデソン | アストラゼネカ |
エンチデロンDP | 大洋 | フルメタ | 塩野義製薬 |
クーペAM | 福地 | ムルコスF | 前田薬品 |
ケイシーF | 海外製品 | メサデルム | 大鵬薬品工業 |
シマロン | 日医工 | メドレキシム | 大洋 |
ダイプロセン | 佐藤製薬 | ユニバーサル | |
ディーピーポロン | 摩耶堂製薬 | ラウラシド | 東洋新薬 |
テクスメテン | 佐藤製薬 | リザトロン | 科薬 |
デルトロン | 三共 | リンデロン-DP | 塩野義製薬 |
デルモゾールDP | 岩城製薬 |
■強力strong(★★★)
アスデロゾン | 丸石製薬 | トチプロベタゾン | 新生 |
イベ | わかもと製薬 | トプシムスプレーL | 田辺三菱製薬 |
エクラー | エスエス製薬 | フルコートF | 田辺三菱製薬 |
エンチデルマ | 大洋 | フルコート・スプレーL | 田辺三菱製薬 |
クロフェート | 東洋新薬 | フルゾン | 大正製薬 |
ケリグロール | 海外 | フルベアン | 興和 |
コリフェート | 田辺三菱製薬 | フルポロン | 海外 |
コルデールG | 大正製薬 | プロパームゲル | 東興・菱山 |
コルデール | 大正製薬 | プロパデルム | 協和 |
サトゾロン | 佐藤製薬 | ベクラシン | 海外 |
スピラゾン | 岩城 | ベトネパールG | 日本グラクソ |
ゾルロイド | 日研 | ベトネベートN | 第一製薬 |
ダブベタ | 全薬 | ベトネベート | 第一製薬 |
デーエム | 同仁 | ホルメゾン | 東菱薬品工業 |
デビオンVG | 長生堂 | ムルコニン | 前田 |
デルモゾールG | 岩城 | リドメックスコーワ | 興和 |
デルモゾール | 岩城 | リンデロン-VG | 塩野義製薬 |
トクダーム | 大鵬薬品工業 | リンデロンV | 塩野義製薬 |
■中程度medium(★★)
アボコート | 佐藤製薬 | ノギロン | アストラジャパン |
キンダベート | 日本グラクソ | パルデス | 岩城 |
キンダロン | 前田薬品 | ピータゾン | 新生 |
クロベタポロン | 海外 | ビーモン ブヒドロ | 前田薬品 |
ケナコルトAG | 三共 | ブランコール | 中外製薬 |
テストーゲン | 前田薬品 | レダコート | 日本レダリー |
トリアノポロン | 海外 | ロコイド | 鳥居薬品 |
ネオメドロールEE | ファルマシア・アップジョン | ロコルテン | 日本チバガイギー |
ノギノンV | アストラジャパン |
■弱いweak(★)
エキザルベ | マルホ | デキサA | 新生 |
オイラゾンD | 日本チバガイギー | デキサメサゾン | 岩城 |
オイラックスH | 日本チバガイギー | デキロイド | 東菱薬品工業 |
グリメサゾン | 三共 | テラ・コートリル | ファイザー製薬 |
コルチドテープ | 大鵬薬品工業 | フルドランテープ | 久光製薬 |
コルテス | 大正製薬 | プレゾ | 新生 |
ダブM油性 | 全薬 | プレドニゾロン | 丸石製薬 |
ダブ | 全薬 | 強力レスタミンコーチゾン | アストラジャパン |
デキサ | 長生堂 |
※必ず医師の処方の元で使用してください
急に止めれないステロイド
ステロイドを長期間使用していると本来持っている治癒力が低下し今まで挙げてきた病気のリスクも高めます。
それを知れば今すぐにでもステロイドを使用するのをストップしたいと考える人も少なくないですが、長期間使用してきて突然止めると、症状を悪化する可能性が高いです。
要するにステロイドから離れることが出来ない体になってしまっているという事です。このままステロイドを使用し続けることは危険ですが、今すぐ使用を止める事も実際には出来ないのです。
ステロイドを使用しない方向へ進むことは重要ですが専門家のアドバイスを受けながら慎重に行わなければなりません。